未来のための革新をデザインする。
メンバーコラム
2015.02.16 Mon
時間_空間_人間_世間
僕らにとってとびきり大事な言葉には、沢山の「間」が紛れ込んでいる。
時_空_人_世
本当はそれだけでも十分な意味を伝えているはずなのに。
それじゃあ、「間」って何だろう?
それが今、僕が気になることの一つです。
「間」は一見すると、無為で緩慢な空白のように思えるけれど、
活版印刷の余白が膨大な鉄のブロックでつくられているみたいに、
本当はそれ自体が濃密な存在で、むしろ本質ですらあるのかもしれない。
なんとなく、そんなことを思う。
更に興味深いのは、「間」は複数のものの境にあるだけじゃなくて、
ものの内側にも存在しているってことだ。
人の身体の真ん中に上下に走る外部(食道)があるみたいに
巨大な台風の真ん中に静かな目があるみたいに
混沌とした東京の真ん中に広大な皇居の森があるみたいに
河合隼雄やロラン・バルトといった20世紀の偉大な知性は、こうした中心がカラッポな間になっていることが、日本文化の本質であるとも語っているのだけど、僕は、自分達が仕事にしている「ブランド」を考える上でも、「間」はとても重要なのではないかと予感している。
ブランドは差別性になる、
ブランドは未来を示す、
ブランドは売り上げを伸ばす、
ブランドは株価につながる、
ブランドは従業員の士気をあげる、、、、
ブランドは多くをもたらす、非常に力強い存在だ。
それなのに、ブランドは手に取ることも目に見ることもできない。
それは、おそらくブランドが外からは見えないそのもの自体の内側にある「間」や、それと関わるひと・ものとの「間」に成るものだからではないだろうか。
無であると同時にエネルギーに満ちているような、良質な「間」をつくること。
強いブランドをつくるとは、そういうことかもしれない。
人や社会の核心に迫るためにも、ブランドというものを捉えるためにも、
「間」についてもっと知り、「間」を扱えるようになりたいと思う。